すすめ北前船

北海道発のFM放送「チエンバリスト明楽みゆきの浪漫紀行」の「すすめ北前船」を瀬戸内海からFBとブログで発信しています

「すすめ北前船26回 」(赤穂塩)

「すすめ北前船26回 」(赤穂塩)

 
   これは、「チエンバリスト明楽みゆきの浪漫紀行」の特別コーナー『進め!北前船』のfbのコメントを再構成したものです。

 

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 ゲスト千原義春さんは、青山大学大学院博士後期課程で近世瀬戸内塩業史で赤穂塩を研究中の方です...

 千原さんの研究課題を、「近世社会が変容してどのように近代に移り変わっていったか」と紹介し、その中央に赤穂塩があるのは面白いですねとインタビューが始まります。

 この日は、大学の夏休みを利用し実家の姫路から車で、赤穂市有年の考古館で赤穂塩の謎に迫る企画を見にきていた日でした。f:id:chopini:20181023200835j:plain

(写真は千原さんのfB から)

「SALT~赤穂の塩とその歴史」の企画は、まるでこのラジオ番組の為のものですね!と明楽さんが言葉を投げかけます。
 ここには、弥生時代の塩に関する展示があり、江戸期の焼塩をつくった壺もあると紹介しています。
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(写真は千原さんのFBから)

 赤穂藩は、1646年姫路藩領から技術者を招き「入り浜式塩田」が完成しています。

 この赤穂塩と、高砂の荒井塩も大坂に運ばれていましたが、赤穂塩が上方の出汁文化に貢献したといわれブランドになっています。

 江戸でも早い時期からブランドだった例に、川越の榎本弥左衛門覚書の中に赤穂塩があると紹介しています。
 榎本弥左衛門(1627-1684)は、塩、米などを江戸で仕入れ販売していた一流の商人でした。
 この話から、大坂と江戸を結んだ菱垣廻船(1619年)が、多様な日常の生活物資と共に入浜式塩田完成(1646年)後すぐ、大坂の塩問屋を経由し赤穂塩が江戸に運ばれていた事になります。

 この放送中の8月31日、長岡市での北前船寄港地フォーラムで、河合継之助の稲川館長が、赤穂塩のブランドの例から、長岡藩の財政改革をしていた事を紹介していました。
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 この話を赤穂市で、お話をしていただける事になっています。

 8月17日東京からの放送は、赤穂の塩が北前船で運ばれていた事について、どうなんでしょう?との問いから始まります。

 これに対して千原さんは、江戸、上方(大坂)が9割以上との応えに明楽さんは、びっくりしていました。それは、北前船が赤穂塩を運んでいたと誰もが考えるからでしょう。

 赤穂塩は、当時は日本一の塩の生産量で北前船で運んだ塩は、坂越の大西家が中心だったので生産比率からみれば僅かでした。

 これまで、地元では北前船は話題にもならず、誰もが塩は大坂や江戸に運んでいたと考えられていました。

 坂越の廻船は、赤穂の塩を越後、酒田、野辺地と運び莫大な富を得ていました。

 しかし、江戸へ塩を大量に運んでも坂越の廻船の利益は僅かで、西浜、東浜の塩生産者は莫大な利益をあげていました。 

 

ここに北前船の謎とロマンの面白味があります。

  

 やがて元禄の高度成長期に瀬戸内海で、次々に入り浜式塩田が誕生した事から生産過剰に陥り、塩田不況を招いた話になります。
 この時、藩を超え広域で塩田を休ませる協定を結んだのは珍しいと。

 休田の提案をしたのが三田尻で、それは三田尻が北國地域に一番近く、冬は活動しないので半年休ませたのに対して、赤穂は大消費地の大坂に近くブラントだった事から、50日程度休んだと。
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(赤穂田淵家に残された休浜に関する文書『休濱一条口上書之写』で、千原さんのFBより。)


 近世になり、新たな時代へと変わっていった経営の合理性は、複式簿記に表れ赤穂でも採用していた話があります。

 これについて千原さんのFBで下記のように補足していました。

 下の画像(田淵家文書)で『算用帳』が損益計算書、『大算用帳』が貸借対照表に相当します。そして各々計算された当期純利益が一致しているので、まさに複式決算だったのです。


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(写真は千原さんのfBより)
 

 江戸期は、日本独自の和算の発達から、帳簿システムも独自に確立しそれが大福帳、ソロバンでした。これが、明治に入り和算が数学に代わり、大福帳が欧米式の複式簿記へと形式が代わっただけかもしれません。

 この塩シリーズでは、日本海能登から「揚げ浜式塩田」太平洋側から伊勢の塩を紹介します。
  またこのFM放送は、北前船寄港地13ヵ所で収録放送されます。
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