「名城巡りと北前船の旅」

FM札幌しろいし局放送の「チエンバリスト明楽みゆきの浪漫紀行」を企画をしたものを紹介している

「すすめ北前船」第12回(小樽)

「すすめ北前船」第12回(小樽1)

2018年3月16日のゲストは、札幌在住の佐藤美智夫さんで小樽の旧青山別邸への想いを語っています。

 (写真提供 にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸))



  

 小樽市に残る旧青山別邸(貴賓館)は、3代目17歳の青山政恵が、酒田の本間邸に魅せられその夢を、初代の青山留吉と政吉の親子二代が、鰊漁で巨万の富を得た資金で叶えたものです。

 旧青山貴賓邸は、大正6年から6年余りをかけ建てられ、平成22年国の登録有形文化財に登録されています。

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 約1500坪の敷地内に木造2階建ての190坪の建坪で、6畳~15畳の部屋が18室、それぞれに異なった趣きにとロマンがあると明楽さんが案内しています。

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 高い天井がある貴賓館の一角で、チェンバロ演奏をしたお礼の挨拶からインタビューが始まります。
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 佐藤さんが、40歳の時この青山別邸を見て気に入り、持ち主と会って2か月もたたないうちにこの別邸を譲り受けたといいます。

 

 この時、東京や大阪からも話がある中で、佐藤さんが管理する事になった、佐藤さんの想いや情熱が持ち主に伝わったのがわかります。
 

 大正時代の造り方材料、直し方にもこだわり、昔のままを保つ事に力を注いで来られた中で瓦修復をしています。

 それは10年前程前の事で使う瓦、瓦の下の木にもこだわった瓦職人の気概を熱く語っています。

 瓦の下の木は腐っているはずと、現代の木ではなじまないからと、大正時代の木にもこだわり、瓦も当時の焼き方で焼いた瓦をでないと修復はしない兵庫県の瓦職人をたたえていました。

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佐藤さんは、時代の木を探しだし、24000枚の瓦を4か月半かかったと語っていました。

 この青山別邸は、山形県から60人程の宮大工や建具職人等が建造に関わり、高い天井の板は紀元前4世紀の鳥海山の木、廊下や柱、階段などの木は、神代杉、屋久杉など、北前船で運ばれていたといいます。 

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 各部屋には絵や工芸品の数々が展示されています。

 

佐藤さんが自ら手入した牡丹400株、芍薬は37種300株、ゆり300株、アジサイが600株が、次々と綺麗に咲いている庭からも情熱が伝わってきます。

 

ニシンは、食べるだけでなくそのカスは肥料として北前船で運ばれ、これが日本の農業の発展に貢献していたと語っています。

この鰊カスを肥料にして、綿の生産から更に発展させた倉敷市児島地区の下津井の話につながります。